EWI USBに同梱されるAria「Violin(TH)」の音。ついでにKenny G VSTのソプラノサックスの音。
現在、2万5千円ほどで購入できるエレキ縦笛「EWI USB」。10年前(登場時)は4万円ほどしていたことを考えると、日本のデフレは全く解消されていないと思い知らされます。
日本経済縮小の結果のデフレですが、その結果「EWI USB」は、気軽に買える価格になっています。もっとも、10年前に販売開始された古い楽器ですから、値下がり分は陳腐化と考えることも可能ですが。
陳腐化と言いましても、「EWI USB」そのものの後継機が登場しているわけではありませんし、現行macOSで問題なく動作します(Windowsはわかりませんが)し、この価格ならお買い得なのは確か。
エレキ縦笛と書きましたが、「EWI USB」本体は管楽器のように息でコントロールするMIDIコントローラーで、音源は内蔵していません。その代わり、Garritan社製の木管/金管楽器サウンドライブラリー「Aria」が同梱されており、そいつをMacやPCにインストールし、「EWI USB」とMac(あるいはPC)をUSBケーブルで接続して、音を出します。
木管/金管楽器サウンドライブラリー「Aria」ですが、PCM録音された木管楽器や金管楽器だけでなく、アナログシンセの音もPCM音源としていくつか入っています。
MacでもPCでも使えますが、オススメはMac。PCの場合、オーディオ周りのデキがいまいちなので演奏できないほどのレイテンシーが生じたり、それを防ぐためにドライバーをインストールする必要があるのですが、Macなら何もしなくても全く問題なし。気になるレイテンシーもなく、快適に演奏を楽しめます。
私は2年前に「EWI USB」を購入し、たいへん気に入ったので、その後、本体に音源を内蔵した上位機種の「EWI4000sw」と「EWI5000」も購入しました。3本あるのに、普段吹いてるのはもっぱら「EWI USB」。
「EWI USB」は、何と言っても軽いんですよ。1kg近い音源内蔵の4000や5000と違い、「EWI USB」 は610g。本物のトランペットやサックスなら、楽器の質量は音やら吹奏感やらに影響してきますが、電子楽器(ウインドシンセサイザー)の場合は、重さと音は関係ありませんから、軽ければ軽いほど便利。演奏時だけでなく、持ち運ぶ場合も軽い方がいいですよね。
さらにリアルな金管楽器の音、木管楽器の音をEWIで吹きたければ、「EWI5000」を使うより、Sample Modeling社の「The Trumpet 3」や、AudioModeling社の「SWAM Saxophones」を利用した方が、圧倒的に生楽器の音やニュアンスに近くなります。
そして、Truth等でおなじみのT-SQUAREコピーをやりたければ、有志が無料配布しているアナログシンセ音源「IFW」が素晴らしく良くできています。「IFW」もMacとPC、両方に対応しています。
というわけで、24時間電源入れっぱなしのMacBook Proが手元にあるおいらには、「EWI USB」 が最適なわけです。
普通の人は、EWI吹くたびにMacを立ち上げて、とワンクッション入ることが練習の妨げになったり、吹く機会を失うことになるのでしょうけど、常に電源の入ったMacが手元にあるおいらの場合、そこは無問題。
と、今回も、そして過去にも何回か、「EWI USB」 の良さを書いてきましたが、肝心のサウンドライブラリー「Aria」の音を全く紹介していないことに気づきました。というわけで、音の確認用にへたっぴなりに1曲吹いてみました。音源は、「EWI USB」 に同梱されているサウンドライブラリー「Aria」の「Violin(TH)」です。管楽器で擦弦楽器のバイオリンの音を吹くというのは、なんか変な感じですが、キーボードで弾く場合と違って、息の量や速さで表現することができるので、そのあたりが「EWI」の長所でしょうか。
曲は、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の「Love Theme」。高価なソフトウェア音源のバイオリンと比較すればアレですが、2万5千円の「EWI USB」 に標準添付される音源と考えれば、十分満足できます。もちろん、このAriaの音は、MacやPCのDAWで鳴らすこともできます。つまり、GarageBandやLogic Pro Xで使えます。ただし各種DAWで使うには、公式Web経由でAriaをアップデートする必要があります。
「ニュー・シネマ・パラダイス」といえば、同じEWI USBで「Kenny G VST」のソプラノサックス音色で吹いたのもありますので、そちらもついでに。
小中学校でリコーダーを吹いたことがあれば、誰でも吹ける「EWI」。楽しい楽器です。楽器経験のないおっさんに大いにお勧めします。
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